ルミ姉ブログ

聖徳大学司書課程の歩み&おすすめ本&暮らしのこと

児童サービス論 第2課題

<第1設題 子どもにとって読書はなぜ必要か、できるだけ自分の体験をふまえながら、論じなさい>

 

 はじめに

 「子どもの読書活動の推進に関する法律」第2条では、「読書活動は、子どもが、言葉を学び、感性を磨き、表現力を高め、想像力を豊かなものにし、人生をより深く生きる力を身に付けていく上で欠くことのできないもの」としている。(参照①)このような力を身に付けるために、読書は必要である。しかも読書は「楽しむ」ものであることが望まれる。1999年の文化審議会によれば「読書は、楽しく、知識がつき、ものを考えることを可能にするもの」(参照②)とされる。読書によって養える力を次に具体的に述べる。

・知識を得る力

 コルウェル氏は「何世紀にもわたる知識と知恵、われわれが歴史と呼ぶ人類の物語、その上に新しい発見をうちたてるべき数々のデータ、それらが記録されているのは、本の中です。ある子どもたちにとっては、この知識探求が、本の主要な魅力です。」と述べている。(参照③)息子は日本の歴史物語を読んでから戦国時代の合戦の作法や武具を図鑑などで詳しく調べたり、城の見学に行ったりしている。新たな発見があると目を輝かせているのだ。小河内芳子氏は「子どもにとって読書の楽しみの最大のものは、未知のものを知ることではないだろうか。」(参照④)と述べている。本から得る多くの知識や情報は子どもをわくわくさせるものだ。

・想像する力

 コルウェル氏は読書の価値について「何よりもまず想像力を刺激するということです。」(参照⑤)と述べている。物語から情景や人の気持ちを想像することは心を成長させる。赤星隆子氏は「真の想像力とは、現実にはあり得ない架空のことやものを空想することだけを指すのではない。他人の立場に身を置いて、感じたり考えたりする力、現実に立脚しながらも可能性を広く探る能力など人間の精神的な活動の根底をなす感性であり、知性への基本である。」(参照⑥)と述べている。娘は「赤毛のアン」を読み、アンが自分に劣等感を感じたり、友人を羨ましく思ったりしていることに共感を覚え、少し長い作品であったが読み通すことができた。本の中の人物の気持ちを理解することで、現実の他人の気持ちを理解することに繋がる。これが心の成長なのだと思う。

・読書を楽しめる力

 読書は知識や想像力をつけられるが、それが大人からの押し付けであれば、その力は半減するであろう。中多泰子氏は「子どもの読書は、まず楽しみとしての読書であり、それが成長に有益であることが大切である。」(参照⑦)と述べている。楽しみながら読むことが新しい知識を記憶させ、物語の中に入り込ませるのだと思う。そのためには、乳幼児のうちから本に親しませることが大切だ。杉山きく子氏は「本はおもしろいものだと親しみを感じるのも、読み聞かせの大きな効果の1つ」(参照⑧)と述べている。読み聞かせは読書のレディネス(準備状態を作ること)に効果があり、本に親しむ環境作りに最適である。また、島弘氏は数名の読書実態を調査し、「子どもの読書において、一人ひとりが示す興味・関心の対象には違いがある。」(参照⑨)としている。我が子達も好きな本は様々だ。子どもが興味のある本を自分で選んだり、大人がそれを援助したりすることで、子どもが「面白い本」を見つけられるようにしたい。

 おわりに

 子どもは、読書で色々な知識を得たり想像力を育んだりするために読書が必要である。読書を楽しみ、能動的に読むことでその効果は大きくなる。読書を楽しめる力を子どものうちに養うことで、生涯に渡って本から学ぶことができると考えている。子どもが読書を楽しめるように、大人が導くことが大切だ。

 

参考文献

参照①② 植松貞夫・鈴木佳苗「児童サービス論」樹村房 2012年

参照③⑤ E・コルウェル著 石井桃子訳「子どもと本の世界に生きて」こぐま社 1994年

参照④ 小河内芳子編「子どもの図書館の運営」日本図書館協会 1989年

参照⑥ 赤星隆子・新井督子編著「児童図書館サービス論新訂版」理想社 2009年

参照⑦ 中多泰子・汐崎順子・宍戸寛「改訂児童サービス論」樹村房 2004年

参照⑧ 杉山きく子「がんばれ!児童図書館員」東京子ども図書館 2016年

参照⑨ 島弘「図書館と子どもたち」久山社 2003年

 

2017年11月提出、12月返却 → 不合格

2018年1月再提出、2月返却

 

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