ルミ姉ブログ

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生涯学習概論 第1課題 

<第1設題 生涯学習の意味と必要性について述べてください>

 

 はじめに

 教育基本法第三条では、生涯学習の理念として「国民一人一人が、自己の人格を磨き、豊かな人生を送ることができるよう、その生涯にわたって、あらゆる機会に、あらゆる場所において学習することができ、その成果を適切に生かすことのできる社会の実現が図られなければならない」とある。生涯学習の理念はどのような背景から生まれたものか、生涯額k集を推進することにどのような意義があるのかを考える。

生涯学習が必要とされた背景

 昭和40年代のユネスコの会議で、「変化する社会では新しい知識や技術が絶えず出現し、学校で学んだものも陳腐化するので、生涯のいつでも学べる教育システムが必要である」という提案がなされた。

 人々の生活面では、地域の過密化や過疎化から、地域の教育力の後退が見られるようになった。他方、高齢化や定年制が時間的、経済的余裕を生み出し、学習意欲を高めた。

生涯学習の推進

 このような意識の高まりから、様々な形で生涯学習の機会の提供が進められている。

 家庭教育分野では、核家族化や少子化などから、青少年の自立への意欲・人と関わる力・規範意識の低下が問題となってきた。このことから、社会全体で教育の向上に取り組むことが重要となった。家庭・学校・地域が連携し、地域の大人が子供に関わる地域ぐるみの活動の機会を提供できるよう努めた。家庭教育講座の提供や、子育てサポーター制度なども挙げられる。家庭教育支援は、地域の人々や子供にとって新たな役割や居場所、出番づくり、仲間づくりの貴重な機会となる。

 学校教育分野では、以前から学校施設の利用は行われてきたが、特に高校や大学で、社会人の積極的な受け入れや、地域のニーズに対応した多様な学習機会の提供が求められている。知識や技術の創出が急激に進み、それに対応する人材が求められる中、社会人を対象とした体系的、継続的なリカレント教育(社会に出た社会人などが学校に戻り学習を継続するシステム)の推進をすることにより、学校が広くどの世代の者にも開かれ、学習機会を提供することが必要になっている。

 社会教育分野では、昭和20年代では公民館、図書館、博物館などの整備が行われた。昭和40年代以降、ユネスコで生涯教育が提唱されると、生涯教育の考えが社会教育に取り入れられ、人々の多様な学習要求に対して、学習機会を提供するものとなる。青少年の学校外活動の充実、ボランティア活動の支援、社会人を対象としたリカレント教育の推進、現代的課題に関する学習機会の充実を目指した。そして、学習成果を個人のキャリア開発・ボランティア活動・地域社会の発展に生かすことが提言された。それらを活用して人々が社会に積極的に参画することが可能となる。

 また社会教育では、地域の人々が生涯学習によって生活課題を解決し、生きがいを得るための重要な役割を担っている。自立した市民として成長するために市民性の育成を、経済的に自立するために職業教育を推進し、市民性や職業に関する知識・技術を獲得するのに寄与している。そして、地域課題に人々が参画・協力することにより、自立した地域社会を作ることができる。

 おわりに

 教育基本法第三条の理念のもと、日々変化する社会の流れに対応していくため(社会の要請)、またあらゆる年代の「学びたい」という欲求のため(個人の要望)にも、生涯教育は必要である。そして学んだことを職業、地域に生かし、人々が生き生きと生活できる社会づくりのためにも、生涯学習は意味があり、社会の要請と個人の要望のバランスをとりながら、発展させていかなければならない。

 

 2016年12月提出、2017年1月返却。

 

<評価S>

 

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