ルミ姉ブログ

聖徳大学司書課程の歩み&おすすめ本&暮らしのこと

とまとさんにきをつけて

お気に入りの絵本も紹介しようと思います。

五味太郎さんの絵本は色もきれいで、出てくるキャラクターがかわいいです。

そして意味もあるようでないようで、ちょっと考えさせられます。

読んでいる子どもは深く考えてないと思うけど・・・読み聞かせてる親は「ムム」と思う場面もあるのではないかしら。

この本もう発売されてないのでしょうか。「きをつけて」シリーズ三部作のひとつなのですが、とまとさんが一番かわいいです。

何というかわがままというか気分屋というか・・・読んでいるこちらが振り回されてしまっているようです。

 「とまとさんかわいい!」っていって いってくれないと・・・

  ないちゃうよ すっごくおおきなこえでなけるんだから!

  でもすぐなきやむのよ なきやむのもできるんだから なんでもできるのよ

終始とまとさんのペースで進みます。そして最後は「ちゅっ!」として帰っていくんです。

これがもう・・・彼氏を振り回す女の子のように見えてくるんです。

そんな子でもなんだか許せてしまう、彼氏になったような気分。

読み聞かせのはずが、一人で読んでニヤニヤしてしまいます。

ぜひ図書館や、中古などで読んでみてください。

命を救う 心を救う

小学校中学年くらいから読めます。途上国の子供たちの医療に全力を尽くす小児外科医、吉岡秀人さんのお話です。「情熱大陸」でも取り上げられた方だそうです。

吉岡さんは中学生の時、アフリカの餓死寸前の子どもをテレビで見てくぎ付けになりました。このような恵まれない子どもたちを救いたい・・・という思いで必死に勉強し、医師になりました。

日本の大学病院での勤務を経て、ミャンマーで診療所を開きます。電気もまともに通らない環境での診察や処置は困難でした。それでも多くのミャンマー人の親子が診察に訪れ、吉岡さんは丁寧に診察しました。

この本では吉岡さんが診察した子どもの何人かをとりあげ、一人一人の子どもと吉岡さんのやり取りが細かく書かれています。中には難病の子どもの写真もあり、驚くかもしれません。

吉岡さんは現地での手術に臨みます。成功して笑顔を取り戻す子ども、どうしても救えなかった子ども・・・このエピソードを読み、私も涙が出てしまいました。きっと読み終えたら心に残るものがあるでしょう。

吉岡さんが新型コロナの影響でカンボジア入国時に隔離されたエピソードもありました。吉岡さんの活動は現在も行われているのです。

ゆるランニング!

児童書をいろいろと読み漁っているのですが、おすすめできるものになかなか出会えていません。

そこで、自分が読んでおすすめしたい本をピックアップしてみます。自分=40代主婦ですので、そのような方に共感していただけるような本になるかと思います。

私は中学高校と文化部で、体力がありません。体も硬いし、すぐ疲れてしまいます。

年々増える脂肪に危機感を覚え、10年くらいウォーキングはしていました。ですがあまり変化もありませんでした。

ふと見るとランニングをしている人は体が引き締まってるなーと思い、暇すぎたコロナ休校時、娘を伴い夜のランニングを始めてみたのです。

ゆっくりすぎて、娘は早歩きで十分追いつけるくらいでしたが、日ごとに長く走れるようになって、少し体重も減りました。

劇的に早く走れたり、体形が変わったりすることはありませんでしたが、出勤時に駅まで走って行っても息切れすることがなくなりました。走って電車に乗っても、車内でハアハアすることが一切なかったです。

春から夏にかけて続けていたのですが、寒くなってくると億劫になり、やめてしまいました。この本を見つけ、また始めてみようと思ったわけです。

この本はマンガなので、さくさく読めます。作者がウォーキング中に何気なく走り出した一歩からランニングに目覚め、ハーフマラソンに挑戦するまでが描かれています。

私はそこまでできないかなーと思いつつ、最初の一歩を踏み出した時の様子にとても共感しました。準備したものや、体重グラフなども載っていて、とても参考になりました。日ごろ運動不足のママさん、これを読んで5分だけでも走ってみませんか?

ぼくの夏休み革命

面白くて一気に読めました!

夏休みのある日、5年生の主人公誠也が自転車で大転倒するところから始まります。最初から何かが起こりそうな予感で、一気に引き込まれした。

その後、近所の謎のゴミ屋敷を見て、誠也が自分の部屋を片付け始める様子は、まるで「断捨離」・・・読んでいるこちらも片付けをしたくなるような衝動にかられます。

そして誠也のお母さんが夏休み中おじいちゃんのお世話で不在となり、お父さんと誠也で協力して家事をこなしていきます。

お父さんは、ハウスクリーニングの事業を立ち上げ、誠也とゴミ屋敷の清掃にあたります。宿主のおじさんは必要なもの、不要なものを選別し、最終的に綺麗になった家で亡くなった家族の思い出のアルバムを見つけます。

夏休みが終わる頃の様子は、一回り成長した誠也を感じるでしょう。

勉強や習い事で時間のない夏休みを過ごす子供たちに、わくわくするような夏休みのお話を読んでもらいたいなと思いました。

ほぼ一文ごとに改行されていてすらすら読めます。夏休みの感想文にとても良い本なのですが…2010年出版の本で、新刊は入手するのは難しいのでしょうか。中古や図書館などでぜひ手に取って欲しいです。

あしたぶたの日ぶたじかん

私が小学生のころ、「はれときどきぶた」が発売され、おもしろくて何度も読み返した思い出があります。この本で感想文を書いたような記憶があるのですが、課題図書ではなかったかしら・・・

大人になってこの本がシリーズ化されていることを知りました。

この本を読む前に、ある児童書を娘の就寝時に読み聞かせていたのですが、とても退屈なお話で・・・娘も「つまらない」とすぐに寝てしまいました。

次に読み聞かせたのがこれでした。自分が「はれときどきぶた」を読んだときの楽しさと同じテンションで、次はどうなるかとわくわくしながら聞いてくれました。やはり名作は違いますね。

でも、実際に本に目を通したほうが楽しさ倍増です。冒頭から出てくる、本当に子どもが書いたような「ほんとしんぶん」に最初から食いつくこと間違いなしです。

主人公の則安くんがかべ新聞を書いて掲示したところから、面白いことが次々と起こります。本を読みなれない子でもどんどんページが進むことでしょう。

はれときどきぶた」を読んだ子も、読んでいない子も、楽しく読めます。感想文には、いちばんおもしろかったエピソードについて心に残ったことを書くと、書きやすいのではないかと思います。

ふくろう茶房のライちゃん

小学校中学年くらいから読めそうです。

物語ではなく、実際にあるご家族のお話です。

4年生のひかるの家で、ふくろうがペットとして迎えられました。

ひかるは、ひとつの命を責任をもって大事に育てることや、ふくろうカフェを開くという経験からいろいろなことを学びます。

生き物をえさとして与える経験から「命をいただく」ということ。

店を開くのに勉強して資格を得ることや、お客さんに喜んでもらえるよう工夫をすることなど、たくさんの努力がいること。

また、ひかるのお母さんが東日本大震災の被災地である気仙沼出身であることから、被災地を訪れた時の様子や思いも描かれています。

あとがきも含め全96ページで文量も少なく、読みやすそうですが、「なるほど」と思うエピソードがたくさんつまっているので、すらすらと読めて、感じることがたくさんあるのではないかと思います。

ピアノはともだち 奇跡のピアニスト辻井伸行の秘密

夏休みになると、読書に慣れていない小学生や、おうちの方から読書感想文のおすすめを聞かれることがあります。

最近の夏休みの宿題は、課題図書だけでなく、自分で選んだ本でも感想文にして良いようですね。

課題図書は難しそう。でも自分で選べない。

そのようなときにご提案できるように、児童書を読むことを始めました。自分で読んでみて、子どもたちに読みやすく、興味を持ってもらえそうな本を、課題図書か、そうでないかに関わらずご紹介していきたいと思います。

読んでいるときは気づかなかったのですが、2012年の課題図書(高学年)でした。

ですが文量も多くなく、チャレンジしやすい本だと思います。

全盲のピアニスト、辻井伸行さんが生まれてから、二十歳で世界的コンクールに優勝するまでの歩みが書かれています。

お子さんと同年代の時のことも書かれていて、自分と似ているところ、違うところなどを考えながら、いろいろな感想が持ちやすいのではないでしょうか。

YouTubeでも辻井さんの演奏動画がありますので、併せて見てみると、視覚的にもイメージがつきやすいです。

青い鳥文庫でも出版されていますね。