情報サービス論 第2課題
<第1設題 レファレンスブックの定義、その種類、特徴をまとめ、それぞれに応じた具体的事例(書誌情報と特徴)を示しなさい。
はじめに
レファレンスブック(参考図書)は「調べるための本」である。レファレンスブックの定義と、その種類や特徴を以下にまとめる。
・レファレンスブックとは
レファレンスブックは、既知の情報を整理して項目見出しのもとにまとめ、それを一定の順序に配列することによって、特定の情報が容易に見つけ出せるように編集された知識の本であり、次の3つの要件を満たしている。
①<内容面>既知の情報あるいはデータを収録していること
②<形式面>参照しやすいように編集されていること
③<形態面>冊子体の本であること
また内容によって事実解説的なものと案内指示的なものに大別される。各々の特徴と種類を以下に説明し、書誌情報の一例を挙げる。
●事実解説的なレファレンスブック
それ自体から必要な情報を直接得ることができ、さまざまな事実を調査し解説を求めるのに都合がよいように編集されている。
・辞書・・・単語を見出し語とし、それに解説を加えた項目を一定の順序に配列した図書。「広辞苑」(第6版、新村出等、岩波書店、2008)
・百科事典・・・さまざまな部門から項目見出しを選び、そのもとに解説を加え、五十音順などに配列した図書。「世界大百科事典」(改訂新版、平凡社、2007)
・専門事典・・・特定主題を多面的に扱い、解説を与えている大部な事典から、専門領域の術語を収録し簡潔な解説を加えている用語集まで、さまざまな主題の事典。「情報学事典」(北川高嗣等、弘文堂、2002)
・便覧・・・実用性に富み、統計的数値、実例などを用いて特定分野の用語などを解説し、体系的に編集した図書。「図書館情報学ハンドブック」(第2版、同編集委員会、丸善、1999)
・図鑑・・・写真や図絵を主体にして編集した図書。生物や事物の形状、仕組み、色彩などを図解、図示している。「世界の国旗第百科」(述原康夫、人文社、2003)
・年表・・・年代順に関係事項を取り上げて解説し、年代から各種のデータを探しだせるように編年体に編集した図書。「世界史年表」(第4版、日比野丈夫、河出書房新社、1997)
・年鑑・・・毎年1回ずつ継続的に発行される逐次刊行物。「読売年鑑」(読売新聞社、1946-)
・地図帳・・・各種の地図を編集した図書。「世界大地図館」(テクノアトラス、小学館、1996)
●案内指示的なレファレンスブック
書誌データなどの情報を示し、必要な情報へのガイドを提示する二次資料。探している情報の回答そのものを提供するわけではない。
・書誌・・・文献資料を収録対象とし、それらの書誌データを一定の配列方式でリストしたもの。「出版年鑑」(出版ニュース社、2002-)
・目録・・・収録されている資料の所在が明らかな書誌データのリスト。「国立国会図書館蔵書目録」(明治期、同館、1994-95)
・索引・・・特定の資料に含まれている情報を容易に見つけることができるように、一定の配列方式で収録し、その所在を示しているリスト。「図書館雑誌総索引」(細谷重義、日本図書館協会、1987)
おわりに
レファレンスサービスを行う際には、以上のようなレファレンスブックの特徴を理解し、活用することが必要だ。現在は冊子体のものだけでなく、オンラインデータベースなども活用しながら、多様な情報サービスを展開することが求められている。
参考文献:「レファレンスブック:選びかた、使いかた」長澤雅男、石黒裕子共著 日本図書館協会 2013年
2017年5月提出、10月返却
<評価B>
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