ルミ姉ブログ

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情報資源組織論 第2課題

<第1設題 目録の機械化・ネットワーク化とは何か、またそれによって図書館サービスはどのように変化したか、さらには今後の展望・課題について考察しなさい>

 

 はじめに

 図書館で目録を作成する場合、以前はカード目録が使われていたが、現在は機械化・ネットワーク化され、コンピュータを使って容易に作成・検索できるようになった。図書館で行われている目録の機械化・ネットワーク化されたシステムの具体例を挙げ、図書館サービスがどのように変化したかをまとめる。

 

①目録の作成

 カードで行われてきた目録作成をコンピュータで行うことにより、書誌レコードを複数の図書館で共同で作成したり、1つの機関が作成した目録レコードを各図書館で使用できるようになった。

②集中目録作業

 全国書誌作成機関が、機械可読形式にした目録レコード(MARCレコードを作成し、配布する。各図書館でMARCレコードをシステムにコピーすることで簡単に蔵書目録の更新を行える。現在、図書館が単独で目録作成業務を行うことはほとんどない。

③MARC

 目録を機械で読み取れるようにしたフォーマット。1968年に米国で配布が始まり、日本でも1981年に配布が始まった。国立国会図書館では2012年に世界で普及しているMARC21を採用した。公共図書館では、図書の装備に関するサービスが手厚い図書館流通センターのTRC/MARCを採用しているところが多い。複数のMARCレコードが存在することで、標目の不具合が発生する可能性があることが問題点である。

④共同目録作業

 ②に対して、コンピュータネットワークで結ばれた多くの図書館が共同・分担して目録を作成する仕組み。インターネットの普及で中小図書館も参加できる環境になった。

⑤書誌ユーティリティ

 ④の、複数の図書館からアクセス可能な共同書誌データベースを管理する組織。日本では国立情報学研究所大学図書館を中心に全国規模の総合目録データベース「NACSIS-CAT」を管理している。参加間の増大に伴って、レコードの品質低下や、レコード作成館の偏りが問題視されている。ちなみに公共図書館では②の集中目録作業での構築を行っている。

OPAC

 電子化された図書館の蔵書目録をオンラインで検索可能にした画期的システム。目録作業が機械化されたことによる大きな成果と呼べるものである。公開当初は館内の端末で提供されていたが、現在はインターネットで行うことができる。図書館にとって、カード目録に比べ、負担やコストが大きく低減された。利用者にとっても、記録された全ての文字列からの検索が可能になり、いつでもどこでも検索できることで、情報入手に必要な時間が短縮されるなど、多くの利点をもたらした。

 今後は利用者からの情報を取り込んで情報提供を行うことや、ほかの情報提供サービスと連携して、より利用者に便利な情報提供を行うサービスが期待できる。

 おわりに

 20年ほど前、大学図書館でカード目録を用いて資料を探したが、困難だった記憶がある。現在はOPACで図書館の端末や自宅のパソコンから蔵書検索ができるようになり、欲しい資料をすぐに見つけられる。コンピュータの導入で目録の機械化が行われ、そしてネットワーク上で情報が提供されるようになったことは図書館員も利用者も大変便利になったことは間違いない。同時に、利用者情報と書誌情報を適切に管理することでこの仕組みが成り立っていることを忘れてはならない。

 今後はMARCフォーマットの一元化や、OPACの更なる活用がされると、図書館の利便性の向上が期待できる。

 

2017年6月提出、10月返却

 

<評価B>

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